ブータンでは染めていることを人に知られると、その嫉妬心が色を損なうので誰にも知られないようにするそうです。写真は準備した染液に糸を入れる前に唐辛子を燻して悪い精霊を追い払っているところです。
先日4月6日7日は翔工房企画「ブータンの伝統染色ワークショップ」という事ではるばる埼玉県から
ヤクランドの久保淳子さんに来ていただいてブータンの未加工の茜とラックを現地の染め方
ご指導いただきました。
その様子を何度かに分けて紹介していきたいと思います。
今日は染色WSを順を追って紹介します。
媒染剤となるゼム(ハイノキ科の植物の葉)をよく煮だしその液で煮ます。
黄色に染まります。
茜を煮出します。
ラックはお湯を加えてよ何度も撹拌して染液を貯めていきます。
コマン(ボケの実)の戻し液を加えて準備完了。
ここで最初の写真の儀式となりました。
※参加者全員、唐辛子の燻し煙を頭や体になすりつけて神妙にしてお祈りして邪気を払っていたのが可笑しかったです。もちろん私も。
やっと糸を入れ染色です。
朝から始めて3時過ぎにやっと染め上がり。
左が茜、右がラック。
下の敷物はおくるみとして使われていたものだそうでブータンのブムタン地方で織られるヤタと呼ばれるウールの織物です。片面縫取り織りの素晴らしい模様が織りこまれています。古いものですがオレンジは茜、赤はラック、他に藍染めの深いブルーもきれいです。
まさに今日染めた色と同じでちょっと感動でした。
草木染めは時間がかかるので染め上がりを待つ間、ブータンの織物の話や民族衣装の着付けなどを楽しみました。
その様子はまた次に。