夕方の激しい雨も上がり田んぼのカエルの鳴き声が聞こえてきます。
この頃は団体行動にも慣れたらしく調和のとれた美しい?響きです。
時折涼しい風が通る工房でひとり強撚糸の撚りかけをしています。
昼間最初の撚り止めをした糸です。
これだけで500gですが、普通にマフラー用に4~5番手で紡ぐとしたら1kg紡ぐぐらいの時間がかかっています。
強撚糸にするにはまた最初から撚りかけです。
必ずこの二度手間が必要です。
なぜかというと手紡ぎの糸は均等な太さではないので撚りをかけすぎると細いところに撚りが集中しすぎてきれやすくなります。
無理に撚りをかけると後のより止めのときの作業が大変なことになります。
しかも撚りむらがあると織った後、セット解除する時に均等な美しいウエーブの縮みがでません。
一度蒸して撚り止めしてから更に撚りをかけますが、撚りのむらを訂正するように指先の感触で確かめながら慎重にすることが大事です。
織り上げてからでは訂正できません。
写真の糸は16番手ぐらいの細い糸です。
このくらい細くなると更に難しいです。
無理をして番手だけ細い糸では2度目の撚りかけの時にぷつぷつ切れてしまうからです。
ドラフトをかけて繊維の切れ目ができないように紡ぐといいかと思います。
手間はかかるけどセット解除した時のウエーブの美しさに魅せられて何度も繰り返し挑戦しています。
強撚の布は撚りの方向S・Zでも表情が違ってきます。
また今度、撚りの方向についてお話します。