真似る・コピー

帽子好きの友人にプレゼントした帽子。手紡ぎだから高いと言ったけどいくらでもいいからと言われたと注文を受けてきました。
勝手な事を!
暫くほったらかしにしていましたが、再三頼まれるので受けることにしました。
細編みのシンプルな帽子ですが、これは相当な腕前の人が編んだものなのです。かつての生徒さんが紡いで編んだもので、ぐるぐる巻きに編んだのではなく左右対称になっています。
手紡ぎで編み物も織りも出来る人なのですが更なる勉強をしに翔工房にこられました。
2年ほど通われたと思います。
勉強の仕方が分かる人で、教える苦労なしの優等生でした。
雰囲気を楽しみに来ている感じもしましたが、何も教える事がないので卒業していいですよと言った人です。
卒業と言ったのは彼女が初めてでした。
私が求める手紡ぎ糸のおおらかさと違い彼女が求めるものは「完璧」でした。
彼女が紡ぐ真っ直ぐな糸は私には紡げませんでしたし、私が紡ぐゆるっとした糸は許せない彼女でした。
けれど互いの良さは理解できるので、他の生徒さんには分からない場面で互いにニヤリとしていたことを思い出します。
先日の展示会で久しぶりに会いましたが、指先が変形して痛い病気になって編み物も織りも出来なくなったそうです。
加えてまだ若いのにご主人を亡くされるという不幸にもあわれてさぞかし辛かったろうと察しました。
なのに変わらぬ凛とした立ち振る舞い、私には真似の出来ない事です。
私が尊敬する人のひとりです。
そんな訳で作った本人に頼むわけにいかなくて、糸だけならとコピー開始。
たぶん原毛はロムニー。
翔工房にロムニーはないからジャコブで。
番手は編み目を引っ張ってやっとつまめる一本の感触から・・・うん、この位かな。
ついでに3個分紡いでしまいました。
さて、編むのは誰にしようかな?
次は、紡ぎゴマで紡いだ木綿糸を織り込んだリネンのストールの紹介。
大判ストールです。

茶綿の手紡ぎ糸を織り込んでいます。

白のアイリシュリネンに白の手紡ぎ糸ですが温かみのある白は魅力的です。
このシリーズはコマの紹介用に作っているものですが評判がよくて売れています。
夏の装いをゴージャスに演出してくれそうです。

次はこれ。茜。難問。整経は済んでいます。織りにひと工夫してみようと思っています
いろんな用事がいっぱいですが仕事もしています。